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【高校生交換留学体験談】知念可莉さん(メキシコ派遣)

 2024年7月から、令和5年度「国際性に富む人材育成留学事業」(沖縄県)のメキシコ派遣プログラムに参加している知念可莉さん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを書いてくれました。


 メキシコの文化は知念さんの出身地である沖縄と似ているところも多いようですが、それでも文化に順応するのは大変だったようです。メキシコでの生活や学校の様子なども書いてくれました。ぜひお楽しみください!

 

メキシコの文化

 メキシコの人たちはとても陽気で、音楽やお酒、パーティーが大好きです。月に一度は必ず何かしらのパーティーがあって、みんなで踊ったりゲームをしたりして楽しみます。また、沖縄の人たちと似ているところもあって、「いちゃりばちょーでー」(事務局注:沖縄の方言で「一度出会えばみな兄弟」という意味)の精神を持っています。なので、一度会うとすぐに家族のように受け入れてくれます。また、愛情表現が多くハグやキスを頻繁にしてくれます



ホストファミリー

 私はホストマザーとホストファザーと暮らしていますが、メキシコでは家族の繋がりをとても大切にするので、彼らの独立している息子と娘、ホストマザーのきょうだいやその家族ともほぼ毎日会います。週末にはみんなで一緒にドライブをしてご飯を食べに行ったり、お散歩をしたりします。みんなとても優しくて、私が来たばかりの時から娘のように大切にしてくれています。

 


食事、暮らし

 メキシコでは、1日に4回食事をします。朝ごはん、昼ごはんが2回、夜はパンやケーキ、シリアルなどの甘いものを寝る前に食べます。メキシコといえばタコスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?その通りで、毎日沢山色んな種類のタコスを食べます。メキシコは辛い味付けが基本なので、どの料理も少し辛いですがとても美味しいです。

 生活面では、メキシコは日本と違い、水や電気がとても貴重です。トイレは流せなかったり、お風呂は週に一度しか入れなかったり、頻繁に停電が起きてWi-Fiが使えなくなったりと不便なことが多く、日本はとても恵まれていると感じました。

 

ホストスクール

 メキシコの高校は大学進学用/就職用と明確に分かれていて、私が通っているのは卒業後に料理人として就職を目指すことを目的としている高校です。そのため最低限の基本教科を学び、その他は料理の実習授業です。なので、教育レベルは高いとはいえません。日本に比べると、先生たちもあまり授業に対してやる気がなく、生徒もスマホでゲームをしたりお菓子を食べたりしているときもあります。ですが、クラスメイトはみんな優しく、わたしが課題などを理解できていなさそうな時はすぐに気づいてくれて、翻訳機を使って説明してくれたり、自分たちのノートを見せてくれたりと助けてくれます。放課後は、ホストファミリーが私を迎えにくるまで一緒に待ってくれます。日本文化に対しても興味津々で、沢山日本について質問してくれます。ホストスクールが歓迎会を開いてくれた際に浴衣を着るととても好評でした


 

語学

 メキシコに来たばかりの時は、みんなの話すスピードの早さに驚き、出発前に日本で勉強していた基本的なスペイン語も聞き取れず焦りました。ですが、周りに英語などが話せる人が全くいないため、早く上達しなくてはと必死で聞き取りを頑張りました。そして、十分にスペイン語が話せないからと言って、意思表示や意思疎通が上手くいかないのは嫌だったので、カタコトなスペイン語でも恥ずかしがらずに、時には翻訳機を使って、しっかりコミュニケーションを取るように意識していました。すると、2ヶ月目後半からは翻訳機を使う頻度がぐんと減り、自分の言葉で楽しく会話ができるようになりました。やはり実際に沢山使うことが言語上達において重要だと感じました。

 

もやもや期を脱却、これからの抱負

 留学から4ヶ月が経ちましたが、勿論、もやもや期もありました。というか、もやもや期から脱却したばかりです。

冒頭で、メキシコは沖縄と似ているところがあると綴りましたが、メキシコの人たちは、沖縄の80倍の「なんくるないさー」(事務局注:沖縄の方言で「なんとかなるさ」という意味)精神も持っています。なので、時間感覚もいつもゆるゆるで1時間の予定が3時間になっても、集合時間に50分遅れても、全く気にせず謝ったりしません。1日の予定がずれたり、行く予定だったところに、今日は時間がないからやっぱり行かない!ということが多々あって、私はそれがとてもストレスでした。なのでホストファミリーに思っていることを話しました。するとここでも、なんくるないさー、時間が経てば慣れるよ、気にしないで、常に幸せでいて~と助言を受けました。私は何だか笑えてきて、悩むだけ無駄だ、もうメキシコで暮らすなら、メキシコのマインドに沿おうと決めました。もやもやに向き合うことをやめて吹っ切った、という感じでしょうか。それからは、もやもやが生まれることも無くなって、なんだかとても楽になりました。そのおかげで、最近は好きな勉強をしたり編み物をしたり、充実した時間を多く過ごせるようになりました。なのでこれからも、残された6ヶ月をより学びが多く、充実したものにするために色々な事に挑戦し続けようと思います。




写真、文:2024年度メキシコ派遣生 知念可莉

 

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