平成30年度「国際性に富む人材育成留学事業」(沖縄県)のメキシコ派遣プログラムに参加していた玉那覇蒼己さん。今回、ご自身の留学体験を多くの方と共有したいと、レポートを書いてくれました。
留学から数年が経った今、ご自身の留学生活を改めて振り返って経験談を書いてくれました。ぜひお楽しみください!
メキシコでの生活
私は2018年にメキシコ留学をさせていただき、約1年間現地で生活しました。メキシコ留学が人生初の海外だったためドキドキとワクワクを胸に出発の日を迎えたことをつい最近のように感じます。
東京からヒューストン経由でメキシコへ向かう途中、飛行機遅延やチケットの交換などに戸惑いながらも慣れない英語でコミュニケーションをとり無事メキシコシティに到着しました。
最初の3日間はオリエンテーションで留学の心得や注意事項を行い、夜にはメキシコ料理や街並みに触れ、海外に来たと実感しました。初めて食べる本場のワカモーレやタコスは新鮮でとても美味しかったのを覚えています。
その後、約2週間オアハカという地域で日本人スタッフのいるスペイン語学校に通いました。私はスペイン語を学んだことがなく、レベル0からのスタートでした。ほぼマンツーマンの授業で英語も時折織り交ぜながら少しずつ簡単な単語や文法を学びました。私のオアハカのホストファミリーは英語が全く話せず一緒に住んでいたロシアからの留学生に英語で通訳してもらっていました。ホストマザーが話しかけるたびに理解できないというプレッシャーに押しつぶされそうになったのを今では懐かしく感じます。しかし、ホストファミリーが温かく迎え入れてくれ、簡単な単語や文法を使って私が理解できるまで話してくれました。帰宅後に学校で学んだ文法や単語を使って話してみるとホストファミリーは『すごい!この単語覚えたんだね!!』と一緒に喜んでくれ、成長を感じることができました。
約1ヶ月経った頃、初めてのホームシックがきました。最初は毎日を必死に生きている感じでしたが、少しずつ慣れると『1年間』の長さを感じるようになり、夜中に日本の友人へ電話をかけ、激励してもらいながら泣いていました。
留学経験のある姉から『1年間はあっという間だから無駄にせず積極的に経験積みなさい』と言われたことで部屋に閉じこもっていた時間を無くし、街を歩きながらスペイン語と現地の人々に触れ五感でメキシコを楽しめるようになりました。
2ヶ月目からサカテカスという街に移動し、そこで約10ヶ月過ごしました。ホストファミリーも変わり、また新たな生活にドキドキしました。とても優しいホストシスターができ、オアハカで学んだスペイン語を活かして英語を織り交ぜながら簡単な会話ができるようになりました。サカテカスに来て1番大きな変化になる出来事がありました。それはホストシスターの彼氏さんの家族も留学生を受け入れていたということです。私と同じくスペイン語が話せない状態だった為、一緒にスペイン語を学ぶことができました。ホストシスターが忙しい日は彼氏さんの家に出向きスペイン語でディズニーの映画を見たりお買い物に出かけたりしました。毎日たくさんの単語を学んでアウトプットする時間が多かった為、3ヶ月目で簡単な日常会話であれば相手が言っていることがわかるようになってきました。現地の高校にも通い始め、多くの友人がたくさん話してくれたり、わからないことを沢山教えてもらったので学校生活も楽しく充実してました。もちろん言語の壁にぶつかり苦難に感じることもありましたが、学校終わりに好きなお菓子を買って家で好きな映画を見てゆっくりくつろいだり、日本の友人と電話をすることでリフレッシュしていました。メキシコは素敵な教会が多くあり、様々な風景を楽しめる為1人で散歩をするのも良いリフレッシュになりました。いわゆるインスタ映えしそうなスポットが沢山あり、観光も楽しみつつ異文化にも触れることができました。
語学力
半年を過ぎる頃、日々多くの方々とコミュニケーションを取っているうちに急激にスペイン語力があがりました。また、独り言や夢も気付けばスペイン語を使っていました。スペイン語で自身の意思を伝えたり、学校の友人やファミリーとおしゃべりをできるレベルにわからない単語は英語ではなく簡単なスペイン語で説明してもらうことで、スペイン語をスペイン語で理解できるようになっていました。その頃からは映画館でスペイン語の映画を観たり、授業も少しずつついていけるようになっていました。
語学力がつき、自身に余裕が出てきたので、家庭科の授業の際に先生に『日本の文化に触れてほしいので機会が欲しい』と相談すると快く承諾してくださり、ツナマヨおにぎりやふりかけおにぎりをクラスのみんなに振る舞いました。日本のお米でないため水分量の調整が大変難しかったのを覚えていますが、日本の文化を伝えることができ嬉しかったです。その数日後には『あおき、この前はありがとう』とクラスのみんなからメキシコの家庭料理やお菓子を沢山いただき、私自身メキシコの文化に多く触れる機会がありました。“異文化交流"で“人との心の交流"もできたと感じます。
留学生活後半
留学生活も残り3ヶ月となり、学校の友人とフェスティバルに出かけたり、ちょっとしたプチ旅行に行ったりと現地での生活を大いに楽しんでおりました。その頃からは日本に帰りたくないという気持ちも抱けるくらいメキシコを愛せるようになっておりました。限られた現地での生活を更に充実させるため、友人に誘われてメキシコ伝統のダンスを学ぶ教室に入ることにしました。ディズニー映画『リメンバーミー』で聴いたことのあるような音楽と素敵なメキシコの衣装に感激し、私自身も学びたいと思い通いました。そこでも新たな出会いが多くあり、ダンス教室の仲間とも素敵な思い出を沢山作ることができました。同い年の子達が一生懸命にお客様にダンスを披露する姿が美しく今でも鮮明に覚えています。
私が帰国する1ヶ月前には本当に多くの友人ができており、お別れ会を様々な場所で毎日のように開いてくださりました。本当に多くの現地の方々に愛されていたなと今でも感じます。
この留学生活を通して、自分自身に多くの変化があったと感じます。1年間でこんなに成長できるとは思っていませんでした。最初の頃のホームシックが嘘のようにアクティブに自主的に様々な場所を訪れ、多くの人々と出会い成長させていただきました。良い意味で、自身の意思を言葉に出して伝える勇気や喜怒哀楽の表現もメキシコ留学があったからこそ今の自身があると感じます。
未来の成長した自分を想像しながら、楽しんで言語を習得し、積極的に行動していったことで最高に充実した一年になったと心から思います。
そして、このような機会をくたさったEIL、沖縄県に感謝の気持ちを忘れず、貢献できるよう私自身も留学経験を活かして自分に自信を持ち、リーダーシップを発揮し、自分自身に挑戦しながら生活できていると思います。
Viva México!!
(写真、文:2018年度メキシコ派遣生 玉那覇蒼己)
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